理事長 ご挨拶

 

dsc_0054 医療・福祉に携わっている限り、政府の社会保障に対する施策について常に動向を把握する必要があります。少子高齢化が言われ始めてずいぶん経ちました。今から25年前の1990年には、65歳以上の高齢者1人を20歳から64歳までの人5.1人で支えていました。ところが2025年には高齢者1人を20歳から64歳の人1.8人で支えなければならない時代がやってくるといわれています。
すなわち、年金をかける人に比べてもらう人、医療保険をかける人に比べて使う人が爆発的に多くなるということです。とはいえ、老後の年金、いざというときの医療保険を不必要だと思う方はいらっしゃらないでしょう。そこで政府は社会保障制度を持続可能なものにしようと、改革を推し進めているのです。

 平成26年度の診療報酬改定では、入院・外来を含めた医療機関の機能分化と連携、質の高い在宅医療を推進するという考え方に基づいて、7対1入院基本料の適正化や急性期「後」の病床の評価の引き上げが行われました。
平成27年度の計画では、「地域医療介護総合確保推進法」にもとづき、地域医療構想を踏まえた病床の機能分化・連携、地域包括ケアシステムにおける在宅医療の推進が予定されています。

 数年前から耳にする地域包括ケアシステムということばですが、政府はこれを超少子高齢社会に不可欠な、視点の根本的な転換であると位置づけています。地域包括ケアシステムとは、保険者である市町村、都道府県が地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていく、医療、介護、住まい、生活支援サービスが身近な地域で包括的に確保される体制のことです。 言い換えれば、(1)医療は地域ネットワークの中に存在する。(2)病院の機能分化は必然であり、同時に病病連携・病診連携・介護との連携が不可欠である、ということになります。

 地域包括ケアシステムを実現させるために、2つのことが既に稼働し始めています。
1つめは健康・医療・介護分野におけるICT化、すなわち医療情報連携ネットワークの構築です。例えば泉州地域ではなすびんネットというりんくう、貝塚市民、阪南市民に入院中の患者さん情報を地域医療機関が共有できるシステムがあって、当院も利用しています。
2つめは医療等分野の様々な側面におけるデータ分析と利用・活用です。提出されたDPCデータをもとに受療行動や疾病構造の分析を行い、地域医療構想策定に利用しています。また、昨年から当法人も協力していますが、健診情報を医療保険者に提出することによって効率的な保健事業の実施が可能となります。

 地域包括支援センターが地域包括ケアシステム実現に向けて、医師会や医療関係専門職を交えた地域ケア会議を稼働させていくとの情報も当院グループのケアプランセンターには入ってきています。ここでは医師を含めた医療職のリーダーシップに大きな期待が寄せられているところです。

 当院は救急医療と専門医療を担い、地域で信頼される医療機関となるという目標をもって運営されているところですが、特に関節、脊椎、手の外科、脳卒中、リハビリテーション分野におきましては、365日24時間受け入れ体制を整え、確立された最新医療を提供してまいります。

社会医療法人 栄公会 理事長 中村薫