手術実績を見ました。人工股関節置換術の中で、再置換という数字がありますが、これはどういう内容ですか?これは数として多いのですか?脱臼のリスクがあると聞きます。実際のところ、どれくらいの割合で脱臼があるのですか?また、両足一度に手術することのメリット、デメリットも知りたいです。
- 2025.1.21
まず、再置換術ですが再置換術は大きく分けて2つあります。1つは、人工股関節の部品交換のみを行う方法です。これは、直接骨に接触していない部分、つまり骨頭の部分だけとかポリエチレンの部分だけを交換する手術です。もう1つは、臼蓋側のカップや大腿骨のステムなど、骨に設置された部品を入れ換える手術です。
次に股関節手術は全国で年間約8万件・再置換術は約3千件です。病院による件数の差は一般に再置換術は難しく、すべての病院ができるわけではない為、行っている病院に集中することも多いです。原因としての多くはいわゆる“ゆるみ”とされており、金属が固定されないことが約900件、その他感染・骨折・金属が破損するなどがあります。
また人工股関節置換術の脱臼の頻度は0.5~5%と報告されています。
両足同時手術についてです。股関節は両方とも悪い方が多いのですが、多くの患者さんは、左右どちらかの症状が強いので、まず悪い方の股関節を手術して様子をみます。たいていは、手術した方の足が軸足となって反対側の股関節の負担が減るので、比較的長い期間様子を見ることができます。中には、片方手術したらすごく調子がいいので、もう片方も早く手術してほしいということもあります。
左右甲乙つけがたいほどの痛みがある場合や、仕事の都合で左右同時に手術をしてほしいという要望もあります。その場合は、左右同時に行うこともあります。
両足同時手術はトータルの治療期間が大幅に短くなる、入院費の軽減などメリットがありますが、体の負担は多くなり、合併症のリスクが上がります。術式・医師の方針によっては出来ない場合もありますので、医師に相談してみてください。