肩の痛み 診療の流れ

肩関節センターでは、患者さんの痛みの加減や社会環境、お仕事など、できる限りライフスタイルに合わせながら、肩の治療ができるよう提案しております。肩の痛みは、まだお仕事をされている現役世代の方のお悩みも多く、生活への支障ができる限り最小限にできるような治療方針を都度お示しし、一緒に治療を進めていけたらと思います。

また、腕の痛みの場合も含めて、四十肩 (五十肩)と思っていたが診療を進めてみると別の病気や怪我だったというケースもあります。特に多い傾向にあるのは肩の腱板断裂です。

肩の治療は手術ありきではなく、リハビリや薬での治療(保存的治療)でも改善がみられる場合も多い疾患です。通院での治療を進めていき、どうしても保存的治療で改善に限界がある場合には、肩の手術のご提案をいたします。

肩の診療の流れ

01.初診

肩の痛みや違和感があれば、まずは受診してください。
肩関節センター・市川医師の外来担当日に、病院受付にて「市川医師での肩の診療を希望」する旨を事務員にお伝えください。
順番になれば診察室へご案内します。

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診察に入っていただき、医師へ症状をお伝えください。
患者さんによって症状はさまざまです。
痛みの強弱や場所、痛み始めた時期、起因するできごとなど、できるだけ詳しく医師へお伝えください。
問診、身体所見に合わせて、レントゲンやMRIなど、院内検査を受けて頂きます。
なお、精密検査(MRI等)を受けられる場合は、別日での検査となることがございますのでご了承ください。

02.診断・検査説明

必要な検査が終われば、その結果を用いて診断結果をご説明させていただきます。
患者さんからのお話や検査の結果などを複合的に診断いたします。
これをもって治療方針を患者さんと一緒に決めていきます。

・手術は希望しないので、継続的な通院での治療を行いたい。
・しばらく通院で様子を見て、その間は注射やリハビリをお願いしたい。
・すぐにでも痛みを取ってほしいので手術をしたい。
・仕事やスポーツをしているので、少し考えたい。
など、さまざまな方がおられます。

問診や検査結果および患者さんのご要望などを合わせて、医師から最善の治療方針のご提案を行います。

03.治療について

保存治療の場合

肩疾患の治療方法は、保存治療と手術に分かれます。
まずは保存治療を行い、ステロイド注射や痛み止めの処方、またリハビリによる治療を行います。
多くの場合、これらの方法で数か月の外来通院によって症状が軽くなります。

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手術療法

通院治療を行っても、痛みが取れない場合、また肩が上がらない場合は手術をご提案しています。

04.手術について

手術を希望される場合は当院に入院していただき、手術を受けて頂きます。

例)肩腱板断裂手術について
腱板断裂や反復性肩関節脱臼などに対しては、関節鏡視下手術を行っています。
手術時間:約1~3時間
消毒、麻酔、レントゲン等で更に1時間程手術室に滞在します。

肩腱板断裂手術の患者さんは手術日を含めておよそ1週間の入院予定です。
手術後は装具で固定しますが、入院中よりリハビリを行い、早期介入による改善を目指します。
退院後は、術後4~6週間は装具で肩を固定しての生活となり、定期的に外来通院にて経過を確認・フォローさせていただきます。
※患者さんや治療内容によって、期間は前後いたします。

手術の詳細についてはこちら

05.入院までについて

術前検査

手術のための入院を行う前に、術前検査を受けて頂きます。
これは、全身麻酔下での手術を行うにあたって、また入院するにあたって、患者さんの体の情報を検査し、問題がないかどうかを判断するものです。
検査内容は、血液検査、心電図、感染症検査、画像検査(レントゲン等)等です。

入院手続き

入院の前の診察の際に、事前に入院説明を行います。
入院説明パンフレットを用いながら、入院のために必要な準備物、入院までにお願いしたいこと、入院中の環境のことなど、詳しくご説明させていただきます。ご質問がある場合は、入院説明の際にお聞きください。

IC(インフォームドコンセント)

インフォームドコンセントとは、医療行為を受ける前に、医師および看護師から医療行為について、わかりやすく十分な説明を受け、それに対して患者さんは疑問があれば解消し、内容について十分納得した上で、その医療行為に同意することです。
基本的には、手術が決定する診察(術前の診察)の際にインフォームドコンセントを実施しております。
必要があれば、ご家族の方などと一緒にお越しください。
また、手術が決まった際には、各種同意書をお渡しいたしますので、お読みいただき、署名をお願いします。

装具作成

手術後は一定期間、上肢(肘から肩にかけて)を固定するため、外転装具を装着して治療生活を過ごすことになります。
この装具は、肩腱板修復部分へのストレスを軽減するためのものです。
装具を外すときは、身体を拭くとき(清拭)やお風呂、リハビリ時のみとなります。
手術が決まってから入院前までに、当院にて装具業者の診察に入っていただきます。

入浴時の装具について

入院中や退院後のご自宅での入浴の際につけていただく手作りの装具を入院中に作成します。事前に材料をご準備いただいております。

詳細はこちらから

06.入院期間中について

入院日

入院日は決められたお時間に受付へお越しください。
また入院時に必要なお荷物もこの時にお持ちください。
ご持参をお願いしておりました書類等で、まだ未提出のものがあればご持参ください。
時間になりましたら、病棟の看護師が病室までご案内いたします。
手術前(または事前の外来診療時)に、理学療法士が肩の機能評価を行います。術前~術後~数か月後と、改善度の評価を行います。

手術日

【手術前】
手術日は原則、入院日の翌日となっております。
手術までに手術室看護師が術前訪問を行います。手術の内容や流れをご説明させていただきます。なお手術についてわからないこと、気になることがあれば術前訪問の際にお尋ねください。
手術前日22時以降は、飲食・飲水はできません。

【手術後】
手術日の夕食から食事をご提供させていただきます。
手術後すぐに外転装具を装着します。
※装具の着脱法は、入院中に理学療法士または看護師から指導させていただきます。手術当日から装具を装着した状態で、食事や歩行ができます。
※上記はすべて、身体状態によって変更となる場合があります。

手術翌日以降

腕は固定したままで、入院生活を送っていただきます。
食事は通常通り、朝昼夕の3食ご提供いたします。
痛みなどが無ければ、お風呂は介助浴にて入っていただけます(曜日は決まっています)。
手術翌日から術後のリハビリテーションを実施します。リハビリについては、毎日20分または40分行います。余裕が出てくれば自主トレーニングもお願いしております。
理学療法士が入院中に配布するパンフレットもご覧ください。

パンフレットはこちら

退院日

手術後の経過を見ながら、治療状況・リハビリ状況などを複合的に判断し、医師が退院許可を出します。肩腱板断裂手術の方は、概ね術後1週間程度で退院となります。
正式に退院が決まれば、患者さんにお伝えをいたします。

07.退院後の通院

退院後は、定期的に診察とリハビリの通院にお越しいただきます。
しばらくは外来リハビリでの通院をしていただきます。退院直後はおよそ週に2回程度、外来リハビリを受けて頂きます。
また、退院後1~2週間後に抜糸を行うため、医師の診察にお越しいただきます。

その後は、改善状況に応じて診察とリハビリ通院のペースをご相談させていただきます。
およそ術後4~6週間後には、装具を外しての生活ができるようになる予定です。
また順調にいけば、術後約4か月後には日常生活での動作制限がなくなります。
医師・リハビリスタッフともに、より早く日常生活を取り戻せるよう、サポートさせていただきます。

治療スケジュール